・血管と血液の問題

血管

血管の分類と血圧

血管の4分類とは何か

(a)__血管は、大動脈や肺動脈など、心臓に近いところに位置する太い動脈のことで、(b)___に___が豊富である。心室から血液が拍出されると壁が引き延ばされる。心室の拡張期には弁が閉じ心臓からの拍出がなくなるが、大動脈に蓄えられた血液は弾性により縮んで末梢に送り出される。

(c)__血管(__動脈)は、(d)__に__が豊富で内腔が狭い。収縮すると大きな抵抗を生む。例えば、α1アドレナリン受容体を介して平滑筋が収縮することで抵抗が生まれる。毛細血管の直前に位置する。

(e)__血管は毛細血管のことである。一層の内皮細胞と基底膜からなる。(毛細血管は常時開いているわけではない。)

(f)__血管は静脈のことであり、血液量では全身の(g)__割を占める。壁は薄く内圧が上昇すると容易に膨らむ(「静脈還流量調節」を受ける)。血管のコンプライアンスが高い(決まった圧力で多量の血液を保持できる。血圧は低くなる。)

空欄に入る語句:
(a)弾性血管 (b)中膜に弾性線維が豊富 (c)抵抗血管(細動脈) (d)中膜に平滑筋が豊富 (e)交換血管(毛細血管) (f)容量血管(静脈) (g)6割
*例えば血圧調節の際、どの血管が収縮するのかを注意すること。

参考:
https://ja.wikipedia.org/wiki/弾性型動脈
https://ja.wikipedia.org/wiki/細動脈 (arteriole)


大動脈弁の開閉に伴って心室内圧と大動脈圧がどう変動するか

時間を横軸にし、縦軸に「心室内圧」と「大動脈圧」を取ってグラフを描けるようにすること。
大動脈はゴム性なので、大動脈弁が閉鎖して左心室が拡張期に入った後は「ゆっくり」圧力が下がることがポイント。この弾性血管の弾性ゆえに、弛緩期に血圧がゼロにならない。

ゆっくりと、いわゆる最低血圧まで下がり、収縮に伴い上昇する左心室圧と一致した際に大動脈弁が再度開く(大動脈弁が開いているときは左心室圧と圧力は常に等しい)。


動脈硬化の発生機序と、乱流と層流を説明せよ。

血管内腔(や内皮細胞裏側)に付着した酸化LDLを単球やマクロファージが貪食し、泡沫細胞(foam cells)となる。泡沫細胞はその部位でプラークを形成する。免疫反応に伴うサイトカインに応答して平滑筋細胞が増殖し、プラークを覆う。その結果動脈の内腔が狭小化する。動脈硬化の好発部位は、乱流が発生しやすい血管の分岐部である。

参考:
Reynolds数が2000を超えると層流(laminar flow)が乱流(turbulent flow)となる。ヘマトクリットの低下(=粘性の低下)や血管径・速度の増加によりReynolods数が上がる(=乱流が発生しやすくなる)。(抵抗血管における)血管抵抗は、R=8ηl/πr^4で計算される。例えば、血管径が1/2になると血管抵抗はx16である

https://ja.wikipedia.org/wiki/泡沫細胞
http://www.unex.co.jp/fmd.html
FMD(Flow Mediated Dilation, 血流依存性血管拡張反応)。非侵襲的な血管内皮機能の評価に用いられるらしい。


血圧調節と循環

血圧の調節機構について、発現までの時間と持続時間による3分類は何か

急速血圧調節は、(a)___によるもので、これは頸動脈洞、大脳脈弓、心房壁、肺循環に存在し、伸展されると(=血圧を検知すると)、舌咽神経または迷走神経を介して(b)__にインパルスを伝える。数秒から分単位で起こる調節である。

中間型血圧調節は、(c)___により血圧調節するもので、血圧変化の数分後に作動する。☆(d)___と(e)___による調節がある。前者では、血圧上昇に応答して毛細血管圧(濾過圧)が高まる。後者では、血圧低下に応答して静脈の収縮が起き結果的に心拍出量と動脈圧の増加が起こる。(*毛細血管と静脈の双方で起こることを覚えよう。)

長時間型血圧調節は、(f)___と(g)__系であり、それぞれ、①血圧低下→腎血液量低下→(h)____、__→循環血液量と心拍出量の増加、②血圧低下→腎血液量低下→(i)__、__、__→循環血液量と心拍出量の増大、という機序で、血圧低下に応答して循環血液量を増大させている。

空欄に入る語句:
(a)圧受容器(barorecepotor) (b)孤束核 (c)循環血液量の増減 (d)組織液の移動による調節 (e)容量血管の管径変化による調節 (f)腎臓による体液調節 (g)アルドステロン (h)→糸球体濾過量の減少→尿量の減少(血液量の増加)→循環血液量と心拍出量の増大 (i)→レニン・アンジオテンシン系→アルドステロンの分泌亢進→Na再吸収の増加→循環血液量と心拍出量の増大
*バソプレシンも含めてもよいと思う。

血流の局所調節のメカニズム

神経性・液性・自己調節機構などで局所の血流は調節される。交感・副交感神経の両方が関与するが、主に交感神経性が働く。交感神経性の血管収縮線維はノルアドレナリンを分泌し、血管平滑筋の☆(a)__に作用して、血管を収縮させる。また、冠動脈や骨格筋の動脈の平滑筋には、(a)以外にも(b)__が発現しており、これに作用すると血管平滑筋が弛緩して血管が拡張する。

局所の代謝活動の高まりにより、(c)__や代謝産物(_、_、_)が蓄積すると、血管が拡張して血流量が増加する。肺血管では例外的に逆で、低O2で収縮するらしい(ガス交換できないところに血流は送らないというのが理由らしい。

ホルモンでは、(d)__や__は血管収縮作用を持ち、逆に(e)__は血管平滑筋を弛緩させる。他に(f)__から分泌されるNOやプロスタサイクリンはオータコイド(局所ホルモン)と呼ばれ、局所の血管平滑筋を弛緩させる。逆にエンドセリンやトロンボキサンA2は血管を収縮させる。

以下の図を復習しよう。基本的に血圧を考えるときは、末梢血管抵抗(主に細動脈の径)・循環血液量・心拍出量の変化を考えて答える。(*血管の収縮or拡張だけで考えると、それが循環血液量か細動脈の抵抗変化のいずれかによって血圧への影響が相反するので、混乱しやすい。)

ちなみに平滑筋でNA→α2(Gi, 血管収縮)もある。*臓器の応答とGi, Gsに関連がないことに注意。Giはシグナル経路は抑制であるが、アウトプットはNAによる臓器の興奮である。(参考:カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版【電子書籍つき】。p156-163に詳しい)

(a)α1受容体(血管収縮) (b)β2受容体(血管拡張) (c)低O2、代謝産物(CO2、アデノシン、乳酸など)→血管拡張 (d)アンジオテンシンやバソプレシン→血管収縮 (e)ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)→血管拡張 (f)血管内皮細胞
*アドレナリン受容体の中では、α2受容体のみGi活性化するGPCR。(シンプル生理学p93-95など参照)


リンパの流れについて

毛細血管で濾過された水分の大部分は再吸収されるが、一部はリンパ系を経る。リンパ系は(a)__から始まって、右上半身を除くほとんどは(b)__に集められ、(c)__で静脈に合流している。間質腔のはコラーゲンやエラスチンからなる構造で中にプロテオグリカンを主体とするゲル&ゾル物質がある。ヒト下肢リンパ管などでは、数回/分で自発的に平滑筋が収縮して、リンパ輸送を推進する。

(a)毛細リンパ管 (b)胸管 (c)左静脈角


血液

血液とその異常

血液成分について、以下の空欄を埋めよ

血液中にしめる血球(ほぼ赤血球)の割合を意味するヘマトクリットは、男性で(a)__、女性で__である。ヘマトクリットは貧血で減り、(b)__では増える。血漿タンパク質で代表的なものは(c)__、__、__である。赤血球は(d)__を感知した腎臓から産生される__によって、造血幹細胞から分化誘導されて産生される。赤血球の減少を引き起こす主な原因として☆(e)__、__の不足が挙げられる。これらはDNA合成に必要で赤血球の成熟に関与する(最終的には脱核する)。どちらも消化管吸収障害によって不足することがある。他に赤血球に必要な成分である(f)__はヘム(というヘモグロビン内の構造)に結合する。fの体内重量の65%はヘムに結合して存在しているらしい。ヘモグロビンの寿命は約(g)__で、(h)__に貪食されて(i)__を生成する。

空欄に入る語句
(a)男性42~52%、女性で37~47% (b)脱水 (c)アルブミン、グロブリン、フィブリノゲン (d)酸素分圧低下→エリスロポエチン産生 (e)ビタミンB12、葉酸 (f)鉄 (g)120日 (h)マクロファージ (i)ビリルビン(胆汁色素)

血液が関与する病態について、以下の空欄を埋めよ

Rh陽性とは、(a)__のことである。(b)__によって胎児で溶血が起きる(胎児赤芽球症)。胎児は出生時に貧血で、(c)__。

☆炎症の4徴候とは、(d)_、_、_、_で、炎症性物質として、(e)_、_、_などがある。炎症の第一段階は組織マクロファージの応答で、次に、1時間以内に(f)__が起こる。第三段階で(g)__が動員されるが__くらい時間がかかる。

空欄に入る語句
(a)C, D, E, c, d, eの抗原のうち、D抗原を持つ人 (b)Rh(-)の母親が2回目以降にRh(+)の胎児を妊娠した時に起こる(D抗原に対する凝集素は1回目の妊娠で起こる。第二子で3%、第三子で10%らしい) (c)神経細胞へのビリルビン沈着により永続的な脳障害が起きる

(d)発赤、腫脹、熱感、疼痛 (e)ヒスタミン、ブラジキニン(神経細胞自体を刺激)、プロスタグランジン(痛みの閾値を下げる)、セロトニン (f)好中球の浸潤(末梢血や組織から動員) (g)単球の動員→マクロファージへの分化(8時間~数日かかる)

止血について、以下の空欄を埋めよ

破損した血管は収縮して血流が減少する。傷害血管で(a)__が露出すると、(b)__が粘着して、(c)__を分泌するとともに周囲の血小板を活性化する。最終的に(d)__を形成する。(e)__は凝固系の最終段階でフィブリノゲンからフィブリンを産生する。マスト細胞や好塩基球が産生する、ヘパリンは抗トロンビンIIIの効果を高める。(f)__は血餅に取り込まれ、プラスミンに変換されて(g)__を起こす。

出血過多の原因としては血友病、血小板減少症(多くは原因不明)、(h)__欠乏がある。(h)は凝固因子のうちの5つの合成に必要であり、(h)は腸内再建で合成される脂質なので腸疾患で欠乏することがある。

(a)コラーゲン (b)血小板 (c)トロンボキサンA2(血管収縮物質) (d)フィブリン糸 (e)トロンビン (f)プラスミノゲン (g)線溶 (h)ビタミンK

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