桿体の上の方のロドプシンがある部分をなんというか。
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視覚
(1)視覚の伝導路についての以下の文章の空欄を埋めよ
検眼鏡(ophthalmoscope)で網膜を覗くと、鼻側に血管の入り口となっている(a)__(視野の盲点をつくる)、耳側には大きな血管が少なく黄色の色調を伴った(b)__があり、この中心に(c)__という0.35mmほどの暗い点がある。物体を注視する際に中心窩と結ばれる軸を(d)__といい、水晶体法線である(e)__と比べて約5度内側に傾いている。(眼軸と視軸の交点を結節点と言う。)
視細胞(桿体または錐体細胞)は、(f)__に入力し、その次に入力を受ける(g)__の軸索が視神経である。他に、視細胞と(f)の高さに水平細胞、(f)と(g)の高さにアマクリン細胞が存在する。神経節細胞が投射する90%は外側膝状体であるが、残りは(h)__などに投射し、ここから(両側性に)EW核に投射するのが対光反射経路である。調節・輻輳反射では、(h)__から同側の動眼神経主核とEW核に投射され、それぞれ(i)__と(j)__を収縮させる。
錐体細胞は特に中心窩周辺への局在が顕著である。黄斑部には血管がなく、(k)__から栄養されている。さらに中心窩がくぼんでいることで、より解像度の高い視覚を可能にしていると言われる。
空欄に入る語句:
(a)視神経乳頭(視神経円板) (b)黄斑(macula) (c)中心窩(fovea) (d)視軸 (e)眼軸 (f)双極細胞 (g)神経節細胞 (h)前頭眼野 (i)内側直筋 (j)(毛様体神経節を経て)毛様体筋 (k)(血管に富んでいる)脈絡膜
(2)ロドプシンと他の視物質についての以下の文章の空欄を埋めよ
視細胞の外節の(a)__上にロドプシンがある。ロドプシンはGPCRである(b)__と(c)__からなる。光により(c)が異性化すると(b)が活性化し、細胞質側の(d)__が活性化する。活性化した(d)は___して、___する。
まぶしさに慣れるのが明順応である。暗順応した眼が明所に戻されると5~10分間かけて、錐体相に移行する。つまり、桿体では明所で(f)__が低下すると、グアニル酸シクラーゼやロドプシンキナーゼの活性により、ロドプシンが抑制される。(=桿体の感受性が低下する)
ロドプシンの他に3種類の視物質があり、錐体では特定の1つを発現している。視物質のうち、それぞれ(e)__と(f)__へ反応するオプシンは、アミノ酸配列が似ており、起源が同じであると考えらえている。これらはX染色体上にコードされており、減数分裂時の不均等な組換えにより、(波長特性が変化した)ハイブリッド遺伝子や、遺伝子欠損を引き起こす。
空欄に入る語句:
(a)円板膜 (b)オプシン (c)レチナール (d)トランスデューシン(Gt) (e)cGMPホスホジエステラーゼを活性化して視細胞内のcGMP濃度を低下させる。結果、cGMP依存性の陽イオンチャネルが閉じ膜が再分極する (f)Ca2+濃度 (e, f)赤色、緑色
参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/ホスホジエステラーゼ
(3)2種類の双極細胞と、3種類の神経節細胞について、以下の文章の空欄を埋めよ
グルタミン酸に応答してEPSPを起こすのが(a)__型双極細胞(AMPA受容体による)であり、IPSP性の反応を起こすのが(b)__型双極細胞である(mGluRによる)。(*「光オン」とは光で脱分極するという意味。)オン型双極細胞の周囲にオフ型(またはその逆)という配置で存在するため、光のある部分とない部分の(興奮性の)コントラストが高くなる。
3種類の神経節細胞のうち、90%を占める(c)__細胞と、5%を占める(d)__細胞が重要で、これらは活動電位のパターンが異なる。P型神経節細胞は「形(色:赤緑)」、M型神経節細胞は「動き」、非M型-非P型神経節細胞は「色」という機能分担があるとされる。外側膝状体では、これらの神経節細胞の種類、さらに同側対側によって異なる層へと分離して投射されている。
空欄に入る語句:
(a)オフ型 (b)オン型 (c)小細胞型(Parvo, P型) (d)大細胞型(Mango, M型)
化学受容器
(1)嗅覚の知覚について、空欄を埋めよ
下端に線毛を持つ(a)__細胞が嗅覚の受容器細胞であり、細胞体が(b)__にあって、軸索は篩板を通って(c)__で二次ニューロンとシナプスする。(c)の中におおよそ2000の(d)__があり、同じ受容体を発現している嗅細胞の軸索は同じ(d)に投射するようになっている。
揮発性の化学物質が受容体(GPCR)に結合すると、Golfが活性化し、アデニル酸シクラーゼの活性化とcAMP増加によってヌクレオチド依存性陽イオンチャネルが開き、次いで、(e)__が開口することで(f)__が__する。これにより嗅細胞は脱分極に向かう。ただし、電位依存性Na+はこの部位(嗅細胞の樹状突起)には存在しないため、細胞体に到着するまで活動電位は発生せず、受容器電位が減衰しながら細胞体へ伝導する。
空欄に入る語句
(a)嗅細胞 (b)嗅上皮(の中) (c)嗅球 (d)糸球体 (e)Ca2+依存性Cl–チャネルが開口し、Cl–が流出する(*嗅細胞では細胞内Cl–が高いため、Cl–が流出する)
追記
嗅覚では、AC活性化のGiとPLC活性化のGqのどちらもあると考えられているらしい(参考:集中講義 生理学p331)。試験的には、嗅細胞=一次ニューロンであることが大事)
味覚について、以下の空欄を埋めよ
味覚の受容器は、(a)__、__、__である(糸状乳頭には味蕾がないので別物)。水溶性物質に対する受容体を持っているのは(b)__細胞(上皮系)であり、その下に味神経の線維が待機している状態になっている(反対側で孤束核に投射している)。
知覚される味 | (水溶性物質) | 受容体 | 下流のシグナル |
---|---|---|---|
塩味 | Na+ | イオンチャネル | 常に開口しているNa+チャネルを通ってNa+が流入する→電位依存性Na+チャネル, Ca2+チャネルが開く→神経伝達物質が放出される |
酸味 | H+ (プロトン) | イオンチャネル | 常に開口しているNa+チャネルを通ってH+が流入、K+チャネルは遮断する。→電位依存性Na+チャネル, Ca2+チャネルが開く→神経伝達物質が放出される |
甘味 | グルコース、フルクトース | さまざまなGPCR | PLC活性化(詳細不明) |
苦味 | カフェイン、カリウムイオンなど | さまざまなGPCR | PLC活性化(詳細不明) |
うま味 | グルタミン酸、イノシン酸、アスパラギン酸、コハク酸など | さまざまなGPCR | PLC活性化(詳細不明) |
空欄に入る語句
(a)有郭乳頭(奥の方)、葉状乳頭(奥の側方)、茸状乳頭(手前の広い範囲)*できるだけ形態で覚えよう。
(b)味細胞
参考
神経科学-脳の探求— p193
味細胞(味蕾)→一次ニューロン(双極性で細胞体は神経節にある)→(孤束核でシナプス)→(視床VPMでシナプス)→大脳皮質、という順番が試験的には大事。視床を介することを忘れなければ何でもないか。ちなみに味細胞が放出する神経伝達物質としてはATP以外によくわかっていないようだ。
体性感覚
機械受容器と侵害受容器について、以下の空欄を埋めよ
体性感覚とは、少なくとも4つの感覚(触覚、温度覚、痛覚、体の位置感覚)の集合的な感覚で、全身に受容体がある。皮膚の外層は(a)__で、その内層の(b)__に皮膚の機械受容器がある。どれも受容器の中心に無髄の神経突起の先端があり、(c)__の開閉により刺激を受容する。触圧覚の受容器は(d)_、_、_、_、_で、温痛覚は(e)__である。これらの体性感覚受容器からの情報を伝えるニューロンの細胞体は(f)__にある。(表皮&真皮のイラストを描いてみること。)
空欄に入る語句
(a)表皮(epidermis) (b)真皮(dermis) (c)機械感受性イオンチャネル (d,e)下表 (f)脊髄神経節(後根神経節)
触圧覚(機械受容器)と温痛覚(自由神経終末)の伝導
受容器 | 性質 | 形態 | 軸索 |
---|---|---|---|
マイスネル小体 | 狭い受容野・早い順応 圧・低周波振動 | 真皮の浅いところ(真皮乳頭の頂部)、小型。 | Aβ |
メルケル盤 | 狭い受容野・遅い順応 軽い接触 | 真皮の浅いところ(上皮細胞由来)、小型。 口腔粘膜・舌縁にも存在。 | Aβ |
バチニ小体 | 広い受容野・とても早い順応(すぐ反応しなくなる) 深部圧・高周波振動 | 直径1~2mmで大きい。(外包が存在することが、持続刺激に応答しなくなるのに必須) | Aβ |
ルフィニ小体 (ルフィニ終末) | 広い受容野・遅い順応 皮膚の伸展・変形 | 直径0.1mm~ 紡錘形 | Aβ |
毛包受容器 | 順応は速い 毛幹の動きを検出 | 毛包の周り。 | Aβ |
自由神経終末 | 順応しない 熱・化学・機械的侵害 | 末端に特別な装置を持たない(侵害受容器)。表皮にも少し伸びている。 | CまたはAδ (遅い) |
自由神経終末 | 中くらいの順応 温熱・寒冷 | 末端に特別な装置を持たない(侵害受容器)表皮にも少し伸びている。 | CまたはAδ (遅い) |
・触圧覚、温痛覚、(筋紡錘やゴルジ腱器官からの)深部感覚が視床に至る経路を覚えること。(解剖学で学習した、伝導路を復習する必要がある。)Cは無髄線維である。
参考
カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版【電子書籍つき】
神経科学-脳の探求- p300にイラスト
音波の知覚について、空欄を埋めよ
外耳道の奥の鼓膜の内側に(a)__があって、振動を(b)__の膜に増幅して伝える。この膜の内側が液体で満たされているため、(a)はてこの原理で振動を増幅させる仕組みになっている。(a)が存在する(c)__は(d)__によって鼻腔の空気と連続している(普段は閉じている)。このイラストを描けるようにしておくこと。
音波は(b)から蝸牛に入って(e)__を伝わり、(先端の蝸牛孔で引き返して)(f)__を通って(g)__に抜ける。蝸牛内では(h)__の内側は内リンパ液で満たされていて、(i)__、__はそれぞれ音波を脳に伝えること、音受容の感度を調節する役割を担う。これらが乗っている(j)__は奥に行くほど低音の入力で興奮するようにできている(=頭頂部側の基底板の方が幅が広くて柔らかい)。
有毛細胞が脱分極してチャネルから流入させるのは、(k)__である。有毛細胞がシナプスするのは、(l)__に細胞体を持つ双極性ニューロンで、この軸索は(m)__となり、途中(n)__と合流して(o)__となって延髄の神経核に投射する。
空欄に入る語句
(a)耳小骨 (b)卵円窓 (c)中耳 (d)耳管 (e)前庭階 (f)鼓室階 (g)正円窓 (h)ライスネル膜 (i)内有毛細胞、外有毛細胞(音感度調節) (j)基底膜 (k)主にK+(陽イオン) (l)ラセン神経節 (m)蝸牛神経 (n)前庭神経 (o)内耳神経
参考
*アブミ骨が蓋をしているので「卵円窓」と形は覚えておこう。
*→内耳神経→蝸牛神経核→台形体→台形体背側核(上オリーブ核)→外側毛帯(外側毛帯核が途中に存在)→下丘→下丘腕→MG→聴放線→聴覚野(Area41)
平衡感覚はどのように認知されるか
3つの(a)__と、2つの(b)__からなる前庭器官が頭部の動きを検知する。前庭器官は(c)__で満たされており、コルチ器官と同様で有毛細胞がある。頭部が動いた際、リンパ液は瞬時に動かないため、相対的なリンパ液の流れができ、有毛細胞の機械受容体が開く。(a)は(a’)__を感知し、球形嚢と卵形嚢の中の(b)は(b’)__を感知する。
(a)半規管(*漢字注意) (a’)頭部の回転を感知 (b)耳石器 (b’)重力方向からの傾きを感知 (c)内リンパ液 *伝導路も復習しておくこと。
アブミ骨筋反射とは何か
減弱反射ともいう。大きな音の発生により、アブミ骨に付着するアブミ骨筋と、ツチ骨に付着する鼓膜張筋が収縮する。すると耳小骨の連結がより硬直して、内耳への音の伝達が減弱する。連続する強い音に対する順応として働く(突然の音には反応には遅い)。意義としては、連続する大きな音が飽和に達するのを妨げることで動的に音を知覚できることや、内耳を損傷から防ぐ意味があると考えられている。
顔面神経が、内耳孔を出たあと比較的すぐアブミ骨へ分岐しており、これがアブミ骨筋反射を行う。