発生生物学(こっち)

総論的な知識

背景知識

ツールキット遺伝子とは、(a)__。新生児の(b)__は何らかの先天異常を持つ。ダウン症候群は(c)__による。性染色体数の異常では、(45, X)の(d)__、(47, XXY)または(47, XXX)の(e)__が知られる。再生とは、(f)__を意味する。 

(a)形態形成の基本を担う遺伝子群で主を超えて共通の機能を持っている。例えば、Hox, MyoD, BMPなど。 (b)3-4% (c)21番染色体のトリソミー (d)ターナー症候群 (e)クラインフェルター症候群 (f)個体の一部が損傷したり失われたときに、細胞によって修復すること、を指す。

生殖細胞の発生

受精後3週目で(a)__は生殖隆起に移動し、(b)__、__に分化し、さらに女性では(c)__(7か月)になった状態で出生する。思春期にそれぞれ(d)__、__(受精後に第二減数分裂完了)になる。受精卵は、(e)__→(コンパクション)→(f)__になり、(g)__から出て着床する(排卵から(h)__日後に完了)。

(a)原始生殖細胞 (b)精祖細胞、卵祖細胞 (c)一次卵母細胞 (d)精母細胞→精子細胞(順次)、卵細胞 (e)桑実胚 (f)胚盤胞 (g)透明帯 (h)12-13日後 

出生までの過程

着床までを(a)__、胎生8週までを(b)__、その後出産までを(c)__。(b)の後半である胎生(d)__週は「器官形成」の時期で、最も先天異常が現れやすい。その後は「機能的成熟」の時期である。

発生の2週目は、(e)__で、内部細胞塊は胚盤葉上層と下層に分かれる。3週目は(f)__で、(g)__から__が発生し、それが胚盤葉上層と下層の間で広がる。(その後、先天異常が現れやすい時期に入る。)

(a)卵期 (b)胚子期 (c)胎児期 (d)3-8週 (e)二層性胚盤 (f)三層性胚盤 (g)原始線条から胚内中胚葉

先天異常について

先天異常の4型として、(a)__は内因性のもの、(b)__は外因性のもの(催奇性因子など)、(c)__は外力や機械的に力によるもの、(d)__は異常な組織形成(HPV感染後など)によるものを指す。サリドマイドは有名。ウイルス感染では、風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウイルス感染などは(d)__の原因になる。

(a)奇形 (b)破壊 (c)変形 (d)異形成 (e)先天性白内障

先天異常と妊娠の知識

奇形児出産頻度は(a)__%。うち半数は(b)__(ダウン症発生数の約2.3倍)。そのほか多い順に、3. 動脈管開存、4. 口唇・口蓋裂、5. 心房中隔欠損、である。

(a)3% (b)心室中隔欠損

最終月経が始まった日を産科では妊娠の1日目と数える。(受精を基準とした胎生週よりも約2週間早まる)。多くの薬物と代謝物、ウイルスは胎盤を通過する(レチノイン酸、サリドマイド、アルコール、ヘロイン)。一方、ほとんどの母体ホルモンは通過しないが、(a)__で通過するものがある。

(a)合成エストロゲン(内因性のホルモンを攪乱する避妊薬であったが奇形の原因ともなった。DES, diethylstibestrol)

ShhとHPP

Shhはショウジョウバエの(a)__であり、(b)__と__修飾を受けて分泌されて標的細胞(Shh受容体)に作用する。ニワトリで(c)__から分泌されたShhが濃度勾配を作り、方向を作る。Shhの欠損あるいは制御領域の変異が、HPP((d)__=顔面正中部の形成障害)や、あるいは多指症の原因になる。Shhの修飾は分解で露出したShh-NのC末端へのコレステロール付加による。

(a)Hedgehog遺伝子の相同遺伝子のひとつ (b)自己タンパク質分解とコレステロール付加 (c)ZPA(極性化域) (d)全前脳胞症


心臓の発生

心臓の発生過程の概要

2週目の終わりに卵黄嚢壁に血島ができて、内皮に分化してつながっていく(血管系の分化)。
3週目に、胚子の(a)__に馬蹄形の予定心臓領域が現れる。胚の折り畳みによって左右の予定心臓領域が正中に移動し(b)__が形成される。このとき、位置は神経管ー大動脈ー内肺葉(消化管)の下で、すでに拍動している。この、心筋への分化において(c)__タンパク質は重要である。
4週目になると、(b)は長くなるとともに屈曲して(d)__を作る(必ず右に曲がることに注意。イラストで描けるようにしておくこと)。具体的には、原始心筒が右に折れてできた原始心房、原始心室の正中側に再度(e)__が割り込むことで基本的な配置が形成される。(f)__は心臓の領域化を制御する遺伝子として知られ、例えば(f’)__の強制発現はその領域を左心室にする。

(a)前方側板中胚葉 (b)原始心筒 (c)BMP(bone morphogenetic protein) (d)心ループ (e)円錐動脈幹 (f)Tbx遺伝子(Tbx5は左心室。変異はHolt-Oram症候群の原因になる)

心室中隔の形成過程

心室中隔の形成は、各部位から隆起してできる(a)__、__、__のパーツからなっている。このうち肉柱部中隔は、左右の心室の拡大に取り残される形で形成される。円錐中隔は、(b)__が分割されることで形成される。(c)の断面で4つの隆起(円錐動脈幹隆起)が起こり、それらが結合して中隔になり、一部は(c)__となる。房室中隔は(d)__が分割されることで形成される。(d)の断面で(e)__が4つ隆起し、房室中隔を形成するとともに一部は(f)__となる。

*上記からわかるように、心内膜床欠損症は房室中隔欠損のこと。これはダウン症候群によくみられる。
*円錐動脈幹隆起と房室管心内膜床はともに間葉細胞からできている。
*円錐動脈管は流出路だから円錐中隔は流出路中隔とも言う。

(a)房室中隔、肉柱部中隔、円錐中隔 (b)円錐動脈幹 (c)肺動脈弁と大動脈弁 (d)房室管 (e)心内膜床 (f)僧帽弁と三尖弁

心房の発生

原始心房の下に8本の静脈が集まって(a)__を流入部に形成している。左側は(b)__となるが、右は上大静脈、下大静脈としての流入が残る(ちなみに8本のうち4本が退縮する)。心房中隔が形成されると、肺静脈もできて、原始心房は左心房と右心房の前面(=(c)__)になる。

(a)静脈洞 (b)冠状静脈洞 (c)右心耳

心房中隔の形成過程

(a)__の上方から(b)__が鎌状に下行するが、4週目、心内膜床のところで孔を残す(=(c)__)。5週目には一次中隔の上のほうに2つめの孔(=(d)__)が開いて、一次孔の代わりに左右心房の交通を担う。このころ右側から(e)__が下行して(d)を覆うが完全には閉鎖せず、「(f)__」として残る(中隔の開口部がずれているので弁のように働く)。一次孔欠損、二次孔欠損は比較的よくみられる(後者は成人後に発見される先天性心疾患として)。

*心房中隔では常に右から左への短絡が形成されていることに注意。一次中隔の伸長に内肺葉からのShhが関与。

(a)原始心房 (b)一次中隔 (c)一次孔 (d)二次孔 (e)二次中隔 (f)卵円孔

先天性心疾患の知識

Fallot四徴症(TOF)は、(a)___によって起こり、その症状は__である。大血管転位(TGA)では、右心室から大動脈、左心室から肺動脈が起始する。円錐動脈幹の回転異常により起こる。先天性心疾患は新生児の(b)__にみられ、その約半数が(c)__である。他にTOF, TGAが約5%程度。葉酸の摂取は先天性心疾患の予防に寄与する。

(a)ファロー四徴は、円錐中隔の前方転位による円錐動脈幹の不均等分布により起こり、(前方で中隔されるので)①肺動脈が狭窄し、大動脈は拡張する(②大動脈騎乗)。さらに、動脈幹円錐中隔が心室側と融合できず結果的に③心室中隔欠損を生じる。肺動脈の狭窄のために右室の圧が上がり④右心室肥大となる。


各部位の発生

眼の発生

4週に前脳の側壁が膨らんで(a)__を作り、近接する皮膚外胚葉が肥厚して水晶体板になる。水晶体板は陥入して水晶体窩、水晶体胞になり、9週目にはこれが閉鎖して水晶体になる。虹彩、毛様体は、網膜原基辺縁部の間葉から形成される。網膜(色素上皮も)は脳の一部由来で(b)__由来、水晶体と角膜は(c)__に由来する。また強膜は(d)__由来とされる。眼の発生に遺伝子(e)__が重要。(e)のnullは他の部位への影響で致死であるが、ヘテロでの欠失はハプロ不全で、小さい眼の表現型や、(f)__症の原因になる。ヒトではPax6での遺伝的モザイクが見つかった例もあるらしい。

(a)眼胞 (b)神経外胚葉(間脳) (c)表皮外胚葉 (d)外胚葉神経堤の間葉 (e)Pax6(ショウジョウバエでeyeless遺伝子) (f)無虹彩症(Pax6ハプロ不全)

顔面の発生

前頭隆起、(a)__(鼻尖、人中を形成)、(b)__(鼻翼を形成)、(c)__(頬、上唇側方部を形成)、(d)__(下唇、下顎を形成)、がある。

(a)内側鼻隆起 (b)外側鼻隆起 (c)上顎隆起 (d)下顎隆起

間葉は主に(a)__由来であるが、顔面部では(b)__が__から生じ、移動先で様々な組織に分化する。(b)は神経管の閉じる部分((c)__)の先端にあり、(c)癒合する頃に分離する。

(a)中胚葉 (b)神経堤細胞(神経管の形成中に表皮外胚葉と神経上皮の境界部の「神経堤」から生じる) (c)神経ヒダ

間葉細胞が直接(a)__に分化するのが(b)__骨化で、例えば(c)__、__、__などが該当する。一方、間葉細胞が軟骨細胞に分化し、その後軟骨が骨組織に置換されていく様式を(d)__といい、例えば(c)__、__、__が該当する。

(a)骨芽細胞 (b)膜内骨化 (c)頭蓋冠、下顎骨、鎖骨 (d)軟骨内骨化 (e)長管骨、頭蓋底、椎骨

体節の発生

体節(somite)は神経管の横の(a)__から発生し、3つに分化したのち、それぞれ皮節から(b)__、筋節から(c)__や__、硬節からは(d)__などが発生する。

(a)沿軸中胚葉 (b)背側の皮膚の真皮 (c)多くの体幹筋や四肢筋 (d)脊椎、肋骨(骨については、筋と違って四肢は該当しないから注意)

翼板、基板の間が(a)__。背側は蓋板、腹側は底板と呼ぶ。葉酸不足は(b)__を起こしうる。

(a)境界溝 (b)神経管の閉鎖障害

四肢の発生

第4週に(a)__の形成が起きる。間葉で転写因子TBXにより(b)__が発現され、これが外胚葉で(c)__を誘導する。(c)や(d)__は増殖因子で、(e)__(=遠近軸の伸長とパターン形成を経時的に制御)にとって重要である。指の原基である(f)__は第6週になると出現する。下肢芽の発生は上よりも2日遅れる。
手の前後軸の形成に重要な領域は(g)__で、分泌される(h)__の変異は多指症などを起こす。(i)__は(h)の阻害剤。

(a)肢芽(上肢芽、下肢芽) (b)FGF10 (c)FGF8 (d)WNT3A (e)AER (f)指放線 (g)ZPA (h)Shh (i)サイクロパミン

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