このページの内容
放射線の基礎知識
放射線(電離放射線)は、(a)__。電磁波と粒子線(荷電あり・なし)があり、それぞれ(b)__、__、__がある。二次的に発生した荷電粒子が周囲に電離作用を及ぼすのが「間接電離放射線」であり、一方「直接電離放射線」には(c)__と__が該当する。「線エネルギー付与」とは(d)__のことであり、(e)__は高LETの放射線である。
(a)直接または間接に標的分子を破壊する高エネルギーの粒子もしくは電磁波。 (b)粒子線(荷電あり)=α線、β+線、β-線、陽子線、電子線; 粒子線(荷電なし)=中性子線; 電磁波=X線、γ線、紫外線の波長が短いもの (c)直接電離放射線=α線、β線 (d,e)LETは飛程の単位長さあたりに物質に与えるエネルギーで、中性子線(やα線)で高い
放射性同位体は(a)__の物質を指し、α壊変によりα線(=実体は(b)__)、β-壊変によりβ-線(実体は(c)__)、β+壊変によりβ+線(実体は(d)__)を放出する。β+壊変はPETに使われ、同位体として(e)_、_、_、_が使用される(陽電子を出して原子番号は一つ減る)。β線は連続スペクトル(理由:(f)__)。γ線は線スペクトル。
(a)ある元素の同位体のうち、原子核が不安定で崩壊して何らかの放射線を出すもの (b)ヘリウムの原子核 (c)電子 (d)陽電子 (e)FONC (11C, 13N, 15O, 18F) (f)エネルギーをニュートリノと分け合うため。
*β+壊変では原子番号(陽子の個数)が減る。
*陽子は中性子よりわずかに重たい。
*半減期と放射能(A)の式を「壊変法則」とも呼ぶ。
放射線の応用知識
放射性同位体の分離法としては(a)__(非放射性の担体を加える)や(b)__による分離がある。γ線と物質の相互作用としては(c)__、__、__(どれも電子に対する影響)が挙げられる。 照射線量(C/kg)に対して、エネルギーを付与された側を(d)__(単位:__)とする。放射線ごとに異なる(e)__との積が__(単位:__)で、さらに(f)組織ごとの(f)__で積算したものが__(単位:__)である。
組織ごとに(f)を算出するのは困難なので、人体組成を模擬した直径30cmの球体(ICRU球)を置き、その1cmの深さでの(g)__を「(f)実効線量」と考えることが多い。
(a)共沈や、(b)溶媒抽出による分離 (c)光電効果、コンプトン効果、電子対形成 (d)「吸収線量」(Gy=J/kg) (e)放射線加重係数→「等価線量」(Sv) (f)組織加重係数→「実効線量」(Sv) (g)線量当量
*1eV=1.6×10-19J
放射線関連の法令
原子力基本法の三原則は、(a)__、__、__である。原子力基本法第三条と放射線障害防止法に「放射線」の種類が主に記載されている。前者では原子炉、後者では機器や発生装置についても定められている。他に、原子炉等規制法や薬事法で定められているものもある。
放射線防護の上で、(b)__、__影響の考え方が重要。実効線量限度は(c)_ _、__であり、緊急時は(d)__である。女子は__、妊娠の可能性のある女子の業務は__。
(a)民主的な運営をもとに、自主的にこれを行い、その成果を公開する (b)確率的影響、確定的影響 (c)100mSv(5年)&50mSv(1年)(*平時も女子は5mSv/3月等の制限。等価線量の限度は水晶体150mSv/年、皮膚500mSv/年などの制限) (d)100mSv(1年)(*女子は緊急時の線量限度を適用する作業につかせてはならない。等価線量の限度は水晶体300mSv、皮膚1Sv。つまりすべて平時の2倍)
表面密度にも限度があり、(a)__、__が規定されている。放射線施設、使用者(事務所の長)、放射線取扱主任者、業務従事者が定められ、(b)_、_、_(*1年目と2年目以降で長さは異なる)が義務付けられている。
(a) α線を放出するもの:4Bq/cm2、しないものは40Bq/cm2の限度
(b) 教育及び訓練の時間数:<初めの1年/1年ごと>
人体に与える影響 30min/30min
安全取り扱い 4h/1.5h
障害の防止に関する法令 60min/30min
予防規定 30min/30min
放射線と人体への影響
自然放射線は日本で1.67mSv(世界2.4mSv)。食物で(a)__により__は被爆している。また医療被曝でも日本人平均2mSv以上はある。外部被曝防護の三原則は、(b)_、_、_であり、内部被曝防護の三原則は(c)_、_、_での被曝を防ぐことである。
(a)40K, 4000Bq/年ほど(内部被曝0.17mSv相当) (b)距離、遮蔽、短時間 (c)皮膚、吸入、経口での被曝防止
身体的影響と遺伝的影響に分類できるが、ヒトでの遺伝病の発生は実証されていない。身体的影響には早期もしくは晩発の影響がある。早期の影響(すべて確定的影響)として、(a)__、__、__があり、晩発の影響(確定的影響)として(b)__、晩発の影響(確率的影響)として(c)__がある。
一時的不妊の閾値は男性で(d)__(確定的影響)である。また(e)__では永久不妊となる。胎児の感受性は高く(f)__で流産や障害が現れる。白内障は2Gy、胃腸管の損傷は5-15Gy、神経系の損傷は(g)__で起こる。2-6Gyの被曝直後から(h)__は100%起こるので治療の目安にもなる(このとき60日以内の致死率が50%で骨髄抑制による感染症や出血による)。
(a)皮膚の紅斑、脱毛、白血球減少、不妊 (b)白内障 (c)がん、白血病 (d)0.15-0.65Gy (e)2.5-3.5Gy (f)0.16Gy (g)15Gy (h)放射線宿酔
ブラッグピーク
ブラッグピークとは(a)__。
(a)質量の大きい重荷電粒子は散乱せず進行し、飛程の最後に速度が遅くなって大きな線量を発生する。重粒子線治療法と呼ばれる。
放射線の検出や防護(重要)
問題:α線、β線、γ線、中性子線の検出器の例とその原理を簡潔に答えよ。
α線は(透過力が小さいので)固体の電離を利用した「表面障壁型Si半導体検出器」などで検出される。β線の検出には、気体の電離を利用したよくある「ガイガーミュラー計数管(感度は高く自然放射測定に向く)」や「電離箱(感度は低い)」が利用される。γ線やX線では、励起で蛍光をだす「NaIシンチレーション検出器」が用いられ、中性子線の検出はあまりよい検出法がなく核反応を利用した「放射化検出器(3He比例計数管)」が用いられる。
分子生物学に利用される核種を2例挙げて放射線の種類と半減期を答えよ。
他に、Ge半導体検出器という、固体の電離を利用し、γ線や未知核種同定に向くものもある。遮蔽は、α、β線まではアクリル板。γ線は鉛。中性子線は水槽(水分子が良いらしい)。32Pは強いβ線で半減期14日。トリチウムは弱いβ線で半減期12年で、これらは分子生物学の実験で多用された。
その他の知識:
物質が吸収した放射線エネルギー100eVあたりの原子・分子またはイオン対の数をG値という。
放射能測定において計数率nの誤差は測定時間をtとすると、__であらわされる。
ウランやプルトニウムの核分裂生成物としてセシウム137やストロンチウム90(β線を出す)がある。
コバルト60は密封γ線源として用いられる。
放射能と質量の関係:W(質量g)=TMA/4.17×10^23 (M=質量数、T=半減期(s)、A=放射能(Bq)を求める式と考えるのが分かりやすい。)